(レポート) MBL309: モバイルアプリのデータの分析と予測アプリケーションの構築 #reinvent
Analyze Mobile App Data and Build Predictive Applications
この記事は、re:Invent 2015 のセッション「MBL309 - Analyze Mobile App Data and Build Predictive Applications」のレポートです。
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スピーカーは次のお二人です。
- Kenil Vora - Senior Product Manager, Amazon Web Services
- Sandeep Atluri - Data Scientist, Amazon Web Services
このセッションの概要
- Amazon Mobile Analytics を使った、モバイルアプリのデータの収集、分析および可視化について
- Amazon QuickSight を使った、より深い洞察を得るための AdHoc な分析について
- Amazon Machine Learning (Amazon ML) を使った、モバイルアプリのための予測アプリケーションの構築について
If you can’t measure it, you can’t improve it
セッションの冒頭に、こんな言葉が提示されました。
If you can’t measure it, you can’t improve it
- Lord Kelvin
「もし測定できなければ、改善することはできない」という意味のメッセージです。アプリを改善するための材料は測定可能なデータにこそあり、データを測定し、分析し、予測することで、アプリを通してより良いユーザー体験を得ることができるように改善することができます。
データ駆動型マーケティングの3つの種類
- レトロスペクティブ : いまアプリで何が起こっているか、過去の傾向を分析する
- 深掘り : 製品やマーケティングの決定を形作るために、潜在的なユーザーの行動を発見する
- 予測 : 体験を高めるために、ユーザーの行動を予測する
モバイルアプリのコンテキスト
まず、対象となるモバイルアプリのコンテキストを探ります。例えば「どのくらいの数のユーザーが、どのくらいの頻度で使うのか?」「アプリ内でキーとなるユーザーの行動は何か?」「どのようにユーザーの行動を予測するのか、またユーザー体験を高めるために予測した結果をどのように使用するのか?」などといったことを考えます。
レトロスペクティブ
ここでは、音楽アプリを作る場合のデータ分析と予測について考えていきます。
アプリのトレンドに向けたキーの疑問
- エンゲージメント (愛着心)
- どのくらいのユーザーが、毎日音楽を聴くために利用しているか? - どのくらいの新規ユーザーが新たに利用しているか? - どのくらいの回数、1日あたりに音楽を聴くためにアプリを開くか? 2. マネタイズ - どのくらいのユーザーが、課金をしているか? - どのくらいの金額をユーザーは平均で支払っているか? 3. リテンション (維持) - どのくらいのユーザーが、インストール後7日以内に音楽を聴くために起動したか? 4. 振る舞い - 特定のアーティストについて、どのくらいのユーザーがシェアまたはライクしたか?
Amazon Mobile Analytics
- データの収集、可視化
- アプリの利用履歴データの出力
- 次のようなアプリ(企業)が使用
- PikPok
- Player FM
- Forza Football
- 機能
- Fast
- 事柄についてメトリクスに焦点を当てる。 - アプリの利用履歴をレポートとして受け、60分以内に使用可能なデータに 2. Your app, your data - データは安全に利用可能 - サードパーティにデータを共有、レポートしない 3. Accurate results - 受け取った全てのデータは正確な分析を提供するために処理される - 無償利用であっても、サンプリングデータを提供することはない
機能
- エンゲージメント + マネタイズ
- アクティブユーザ
- セッション
- 課金レベニュー
- ライフタイムバリュー (LTV)
- リテンション
- ユーザー維持のための漏斗
- 振る舞い
- カスタムイベント
- 分割
- プラットフォームごとなど
- API
- イベントの送信を API を通して可能
- エクスポート
- CSV形式でダウンロード可能
- Amazon S3 への出力
- Amazon Redshift への出力
デモアプリの提供
デモアプリは常に見れる状態で提供されています。
- Overview
- Active Users
- 期間指定で表示
- プラットフォーム別に表示
- Session
- Revenue
- Retention
- Custom Events
- 属性またはメトリクスでカスタムイベント追加可能
深掘り
「標準測定基準を超えることは、ユーザーの行動分析により深い洞察力を与えるだろう」という言葉のもと、データの深掘りについて解説されていました。
より良い疑問
- ユーザーパターンは?
- プロフィール単位でのユーザーパターン
- ポピュラーな国やプラットフォームは?
- 課金ユーザーはHow much time?
Amazon Mobile Analytics -> S3 & Redshift
- データパイプラインの機能を持つ
- 独自開発の必要はなく、マネージドで提供される
スキーマ
イベントデータのRedshift用のスキーマは簡単に作成可能。
- シンプル & 直感的
- 自動化
- モデルのインテグレート
Redshiftビッグデータのクエリと視覚化
BIツールと連係して視覚化。
- looker
- TIBC Jasparsoft
- Qlik Q
- Micro Strategy
- pentaho
- birst
- Tableau
- QuickSight (NEW!)
Amazon QuickSight デモ
QuickSight のデモが行われました。
Mobile Analytics 利用の場合は Redshift のデータを選択。
1クリックで素早く視覚化。
他の形式もサクサク視覚化。期間、他の属性値との組み合わせ表示もサクサク。
保存&シェアも簡単!
QuickSight はプレビュー申し込み受付中です。
BI ツールとの連係は簡単
BI ツールとの連係は非常に簡単です。ぜひ活用していきましょう。
予測
ユーザーの行動を予測することは、ユーザーのためにパソナライズされた体験を提供するのに役立ちます。
例えば
- アプリに戻ってくるように掻き立てるには最も、何が有効?
- 例えば、30日以上起動していない人をSELECTするとか
- 単純なSQL文では、本質的な解決にはならない
- 機械学習技術を使ってビジネスのルールを元に取り出すべき
- 機械学習では、検索パターンを自動的に学習
- データ + 機械学習で予測可能になる
Amazon ML を使用した予測のビルド
- MLは機械学習のフルマネージドサービス
- マジで簡単に機械学習が行える
- 視覚化される
予測づくり with Amazon ML
- 一連のモデルの作成
- 評価と最適化
- 予測結果の取得
数回のクリックで Amazon ML の Model を作成
- Redshift からの流しこみも簡単に行える
- モデルの品質も確認可能
Amazon ML デモ
Amazon ML による予測のデモが行われました。データは Resdhift または S3 を選択し、モデルの定義を行います。
シンプルな予測であれば、設定はすぐ終わります。
最終的に予測されたデータは CSV として出力することもできます。
Amazon ML を使ったモバイルアプリのデータの活用例
- ユーザーが離脱するタイミングを高確率で予測し、再利用してもらえるよう Push 通知を送信
- 低確率で購入するユーザーに対して、割引クーポンを Push 通知経由で送信
- 同じことをするためのシェアと手を差し伸べるためにユーザーを高確率で特定
- 類似したユーザーの行動パターンに基づいて、関連性の高いコンテンツをレコメンド
簡単に予測アプリケーションを構築
以上を踏まえて、最終的には下図のようなフローで予測を行い、ユーザーにフィードバックすることができます。
Amazon Mobile Analytics の導入方法
- Amazon Mobile Hubでソースコードを作成
- App Analytics 機能を追加 - iOS と Android のソースコードをダウンロード 2. Amazon Mobile Analytics で S3 + Redshift エクスポートを有効化 - Dashboard でエクスポート設定 - 自動エクスポート設定を有効化
まとめ
Amazon Mobile Analytics でデータを取得するだけは行っている人は多いと思いますが、Amazon Machine Learning や BI ツールを用いて分析と予測を行うことではじめてアプリの改善に繋がる、というところがポイントです。新しく発表された Amazon QuickSight は、モバイルアプリのデータ分析にかなり向いているサービスだと思います。簡単に利用できるように提供されているので、ぜひ活用していきましょう。